クックパッドやリブセンスなどベンチャー紹介本の著書として気になっていた上阪徹氏の仕事術の本「〆切仕事術」を読みました。
ブックライターとして、毎月1冊のペースで書籍を出し、さらに連載も抱える著書がどのようにしてそんなハイペースで文章を書くことができるのかが気になり手に取ってみました。
〆切を守らないのが当たり前の出版業界にあって、〆切に一度も遅れたことがない著者の仕事術とはいったいどんな感じなんでしょうか?
〆切を時間割に落とし込む
著者は〆切から逆算して、仕事をタスクに落とし込みます。
それを時間割のようにスケジュールに組み込めば、後は黙々とそのタスクをこなすことで〆切を守ることができるといいます。
1冊の本を書くとなると長期戦になります。1ヶ月のなかでどのように取材をして、構成を考え、本にするのかをタスクレベルに落とし込み、必要となる時間を正確に見積もっています。
タスクにかかる時間を正確に見積もることが大事だといいます。
このヨミがあまいと自分のキャパを超えて仕事をうけてしまうことになり、〆切を守れないことになるといいます。
自分の場合、一つのプロジェクトが半年とか1年単位になることもあり、その中で日々の細々とした仕事もやっていかないといけません。
日々の細々とした仕事をすると仕事をやった気になるのですが、長期のプロジェクトは日々のできる量は本当に少ないので、なかなかやった感は感じられません。
ただ、小さな1歩を積みかさねない限りプロジェクトが前に進むことはありません。
なので、できるだけ仕事を細分化して、少しでもプロジェクトが動いていることを感じられるように工夫しています。
文章術に関して
仕事術の本ですが、ブックライターという職業柄からなのか文章術についても書かれています。自分にはなかなか良い発見だったので紹介しておきます。
文章書くときは素材を用意する
たくさんの文章をいっきに書くには、文章を書く前の素材集めが重要。素材集めには時間をしっかりかけ、素材が揃うまでは書き始めないようにされているようです。
デスクでウンウン考えない
デスクに向かって素材を集めるのではなく、ふとした疑問に思いつく「素材」を大事にする。
素材をしっかり集めた上で文章を書き出すとすらすら書けるので、時間がかからない。
それでも素材が揃わない時は、誰かと一緒にブレストすることで「素材」が見つかることがあるようです。
文章を書こうとしない
自分もそうですが、文章を書こうとするとなかなか腰が上がりません。
むしろ書こうと身構えていたりします。そうではなくて、自分が知ったことや思いついたことを伝えるように書けば良いと。文章はツールでしかないので、いかによい素材をあつめられるかに注力すべきです。
しゃべるように書く
文章を書こうとしないに通じるものがありますが、「しゃべるように書く」と思うと急に肩の力が抜けてきました。
まさに目から鱗です。本の内容や思ったことを誰かに話す時にどんな風に話せば伝わるかなと想像する。
というよりも、実際に口を動かして、しゃべりながら書いていると著者はいいます。
試しに、自分も話しながら書いてみたのですが、本当にすらすら書くことができます。
仕事術の本として読み始めたのですが、文章を書くにあたって参考となる発見を多く得られた本です。
在宅やフリーで仕事される方で、なかなか仕事のペースがつかめないという方は読んでみるよ良い本だと思います。