人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている【書評】

4.0


自分は努力し続けるとその努力は報われると思って人生過ごしてきました。

そんな時に、けんすう氏が「人生は運よりも実力よりも【勘違いさせる力】で決まっている」をおすすめしているのを知り読んでみました。

他人からの自分の評価というのは、人々が自分に対して持っている、自分に都合のよい思考の錯覚である「錯覚資産」によって判断されています。

大いに勘違いさせる

「売上を年間で2倍にした」「MAU1000万人のWEBサイトを作りました」などと言うと勝手に相手がこの人はすごいと思ってくれて、その後の展開がすごく楽になります。

自分もセミナーなどで講師をする時は自己紹介で、できるだけ数字を交えて自分のこれまでの実績を披露しています。

無意識にやっていたことですが、そういった自己紹介をすることで自分のプレゼンだったり、セミナーを優位にすすめたいとおもっていたのかもしれません。

あまり実績がない時はこの自己紹介を端折っていたのですが、実績付きで自己紹介をした時とそうでない時で参加者の反応が全く違うことを実感していました。

その自分では上手く言えなかった感覚を、本書がわかりやすく解説してくれていました。

なんとなく、社長が言っているからそれは正しいなど、一度成功した起業家は次も成功するだろうと思ったり、思考の錯覚による勘違いにほかならない。

この人はすごいと勝手に思わせていることで、何かを優位に進めるのは少し罪悪感を感じるのですが、相手が勝手に思うことなので、大いに勘違いしてもらっても良いかなと今は思えます。

ベンチャーに勤めていたころ、初期メンバーより中途入社の使えないMBAホルダーのほうが給料がよかった理由が本書でよくわかりました。

けんすう氏がおすすめしているから読むという時点でまんまと思考の錯覚に陥ってることは付け加えておきます。

成功の主要な要因は運

そんな錯覚資産をフルに使っても、結局、成功するかしないかは、運でしかないと著者は言います。

運ならば、チャレンジする回数を増やすことでしか成功確率はあがらない。

運を実力だと錯覚してはだめで、サイコロを振り続けないといけない。

自分の仕事でも、チャレンジしつづけることでいろいろ開けてきたともう。

勝手にその道の権威と名乗っていれば相手が錯覚して、いつか本当に権威になれるのと一緒な気がします。

準備を完璧にしてからでないと物事を進められない人にぜひ読んでほしい一冊です。