本当に使えるノウハウが満載「小さな会社の稼ぐ技術」

5.0

小さな会社の稼ぐ技術
日経新聞の書評欄に小さく紹介されていた栢野克己氏による「小さな会社の稼ぐ技術」という本をよみました。何気に手に取ってみたんですが、自分が最近モヤモヤしていたことがすっと解けた内容でした。

「頑張っているのに儲からない」

それは戦略が間違っている、もしくはそもそも戦略がないとバッサリ。長時間働いているのに、なかなか儲からない。忙しいばかり言って、日々過ごしている。そんな人にはぜひ読んで欲しい本です。

本の中で、著者はどんなニッチな分野でもいいからNo.1になることを進めています。

大企業と同じ戦略でいって、中小企業が勝てるはずがない。まったくおっしゃる通りです。

今でこそ総合旅行会社として、またハウステンボスの運営なども手がけ、たくさんの事業をしているHISですが、その創業者である澤田さんが海外航空券で圧倒的なシェアを取るまでは一切他のことをやらなかったというのは旅行業界では有名な話です。

少し大きくなると欲が出て、パッケージツアーをやろうとか、国内旅行もやろうとかという声が社内外から上がります。でも、そんな話に流されることなく愚直に格安海外航空券でシェアトップに突き進んでいました。

どんなニッチな分野でもいいので、シェアトップを取ると横展開は非常にしやすい。

差別化
弱者は、強い会社と違うことをする
小さな1位
弱者は、小規模1位、部分1位、何かで1位
一点集中
弱者は、あれこれしない。1つに絞る
接近戦
弱者は、エンドユーザーに直接営業する

弱者の戦略として特に大事な15項目がありますが、さらにそこから4項目をピックアップされています。

ついつい忘れてしまいがちなので、無意識に実践できるようにしておきたいです。

営業の方法も人と違ったことをしないと埋もれてしまいます。あえてのアナログな戦略もありますし、アナログな業界だからネットが有効なこともあります。とにかく考える癖をつけることが大事。

本書ではそんなランチェスター戦略をより具体的に中小企業が自社の経営に役立てていくのかを事例を元に紹介されています。

巻末には、ランチェスター経営で有名な竹田陽一氏の名言集も用意されています。

これから起業しようと思っている人はもちろん、なんとなく頑張っているのに成果が出ないと思っている中小企業の経営者にとって必読書といえます。