高城剛氏の最新刊である「多動日記(欧州編)」が出ていたので、早速読んでみました。相変わらずの高城剛ワールド全開の内容でした。
過去に出された黒本や白本同様に、きわどい内容のため、大手出版社から断られ、今回も電子書籍のみでの発行となっています。
その割に表紙のデザインがオーソドックスな文庫本スタイルなのが、著者らしいですね。
旅日記的なものかと思って読み出したのですが、全く違っており、内容は多岐にわたっています。
著者のライフスタイルから、未来のことやメディアについてなど、本当に幅広く書かれています。
目次こそ地名になっていますが、その土地で感じたことを書かれているようで、話があちこちに飛びますが、ほぼ1話完結で非常に読みやすかったです。
著者はほんとうにじっとしていられないようで、8月18日からはじまって、10月15日までの間にヨーロッパ中を旅されています。よくこれだけ移動しながらこのような文章を書けるなぁと感心しっぱなしです。
あたらしい多重人格
著書の中で「あたらしい多重人格」が来るという考えが面白かったです。
匿名性が高いと思われるインターネットですが、自分たちは個人情報をそれとはわからない形で企業にどんどん吸い取られています。
FacebookやGoogleが無料で使えるのもそうやって集めた個人情報を売っているからだと指摘されています。
そういった状況から自分の身を守るためにも、2つ以上のメールアドレスを持ち、SNS上で別の人になったりする必要があります。
さらに、物の値段はそういった個人情報を元に決められているということも衝撃でした。
特に航空券は、同じ便の同じ座席クラスでも全然値段が変わってくるといいます。
国単位でモノやサービスの値段が異なるのはよく聞きますね。
有名な話だとパタゴニアは米国と日本では値段が全然違います。それ以上にパタゴニアの本国サイトにはアクセスすらできないようになっています。このあたりは、永江一石氏の「 パタゴニアは日本人を馬鹿にしているのか? 2012年編(2016年追記あり)」という記事に詳しく書かれています。
自分がどこの国の何者なのかは、IPアドレスから判別されているのですが、こちらを撹乱させるツールを使うことでアメリカでしか買えないものが買えるようになったりします。
犯罪につかうようなことは当然ご法度ですが、搾取されている状況は変えることができます。
あまってるスマホを1台くらい全然違う国の違う人仕様にして使ってみるといいかもしれません。
実際著者もカンボジア人のノロドム・シハヌークさんやハワイ生まれのフロリダ在住の「ツヨシ・タカシロ」がいるようです。
グローバルIPアドレスを使えるサービスやアメリカに住所を持つことができるサービスがありますので、それらを使うと可能ですね。
以前の著作でも彼は、ハワイに銀行口座をつくることや米国のAMAZONカードを買うことで、米国でしか買えないデジタルコンテンツなどを楽しんでいることを紹介していました。
個人情報が大事だといいながら目に見えないところで自分の情報をフル開示しているような現状を少し見直してみようかと思いました。
以前紹介した堀江貴文氏の「多動力」といい、今回の多動日記といい、「多動」が最近のトレンドなのでしょうか?
両者が多動の例としてイーロン・マスクをあげているのは偶然の一致なのでしょうかね?
特に印象的だった一節を紹介します。
世界をまわって感じることは、インターネットにある情報なんて、どうでもいいものばかりで、世の中の10%も無いのではないか。
これから起こることを考えるいいきっかけをいただきました。もっと動かねば!